こんにちは、設計課の是澤です。
気密性及びC値についてN様邸【延岡市】にて調査しました。
気密性とは、屋内と外部との空気の流れを防ぐ性能のことです。
気密性を高めるためには、木材と建材(壁仕上げ材)の間に気密シートや気密テープなどを隙間なく施工していくことが重要です。気密性を高めるためには、普通仕様の建物を建てる時よりも手間やコストは掛かりますが性能を高めることにより、断熱性も連動した関係性が出て来ます。
外壁の断熱工法で最も一般的な施工が、壁の内部に断熱材を入れる充填断熱と呼ばれる施工方法です。
今回のN様邸も充填断熱仕様です。
【気密性及びC値は何故重要か】
①室内外の温度差が大きくなる為、温度管理が難しくなり冷暖房費のコストが高くなる。
②花粉や菌類、害虫等が入ってくる。
③外部の音(騒音)が入ってくる。
④屋外の湿気が室内に入ってくるため、湿度管理に難点が有る。
上記の項目を改善すると生活環境が快適な住宅になる
【断熱と気密の関係性】
気密性能を高めながら、同時に断熱性能も上がることを利用した『高断熱高気密住宅』という施工方法がありますが、冷暖房に頼りすぎないで1年間を通して快適な室温を保つことができます。
日常生活の中で少ないエネルギーしか使わないので、冷暖房費のコスト節約に繋がります。
気密と相反しますが定期的な換気も必要です。
住宅の中で部屋や場所によって気密性能に差が有ると上手く換気が出来ないことが有ります。
チトセホームではスマート省エネ換気という第一種換気システムで建物全体(室内・床下スペース)を換気コントロールしています。「オプション仕様」標準仕様は第三種換気システムとなり台所やトイレの換気扇を利用します。
窓ガラスも空気層やガス層を含んだ複層ガラスを設置することで断熱性を高めてくれます。
「当社ではLow-e硝子・日射遮蔽型を標準採用」
全体の窓を小さくすると断熱性能が有利になりますが、室内が暗いイメージになり場合によっては(雨天時等)日中でも照明を点ける必要があります。
断熱性能と気密性能の関係性は、断熱材で壁を外側から覆い家の外と中の熱を伝わりにくくし、住宅の隙間をできるだけ減らして余計な空気の流れを防ぐことが重要ですので、気密性能は住宅建築の中でも大事な項目になります。
【気密性の根拠C値とは】
気密性を測ることを気密測定といい、家の隙間の大きさを測定する方法です。
この測定方法は、換気口・換気扇など計画的に開けた穴をすべて塞ぎ、室内の空気を送風機で強制的に外に排出して生じる気圧差と風量でC値を算出します。
C値(㎠/㎡)(相当隙間面積)=家全体の隙間の合計(㎠)÷建物の延床面積(㎡)
例えば 延床面積100㎡の家の場合、
C値が4㎠/㎡だと100㎡(延床面積)×4㎠/㎡(C値)=400㎠(家全体の隙間の合計)
となります。
わかりやすく説明しますと、家全体の外壁に20cm角(20cm×20cm=400㎠)の穴が空いている
という意味を表します。
C値は、建物の床面積1㎡あたりの隙間面積を表す値で、数字が小さいほど気密性能が高いことになります。
一般的な建設会社や住宅事業者等で気密性能や断熱性能を特に考慮していない場合、
C値は 3~4 ㎠/㎡ になっていることが多いです。
気密性能には地域ごとの基準があり、平成11年の次世代省エネ基準でみると、
宮崎県地域では 気密性能(C値) 5.0 c㎡/㎡となります。
今回のN様邸の測定結果です。
C値=0.3㎠/㎡

N様邸のスペックです。
延床面積=119.92㎡なのでC値=0.3㎠/㎡を入力すると、
119.92×0.3=35.97≒36㎠/㎡になりますので、
2階建ての外壁に6cm×6cmの穴が空いているという意味になります。
36坪の2階建て住宅の外壁に、6cm角の穴しか空いていないと言う結果になりました。
かなり優秀な数値が出ましたので、御施主さまにも喜んでいただけました。
【まとめ】
気密性能(C値)とは、毎日の生活環境に直接影響を与えますので家づくりの際には是非検討して下さい。但しC値等の特定スペックに余りこだわりすぎないで、バランスの取れた住み心地の良い住宅建築を目指して下さい。
チトセホームでは「住む人の幸せを形にすること」を大事に考え、シンプルなプランで合理的な整合性の高い構造フレームを持つ、完成度の高い住まいを追求しています。
耐震性能・省エネ性能・耐久性能・耐風性能については全て最高等級を標準仕様としています。
高性能で基本的コストダウンを実現する事で、御客様の予算範囲でより多くの選択肢を生み出し、満足度の高い家づくりに大きく近づくことになるでしょう。
参考までにその他の標準仕様です。
●長期優良認定住宅(第三者確認審査機関の審査適合で税制等の優遇有)
●省令準耐火認定仕様(火災保険料が安い)
家づくりの際には是非、参考にして下さい。